アイアイメガネ

2019年9月4日6 分

補聴器がこわれた?慌てる前にここをチェック!

補聴器の音が出なくなったら

まずは販売店へ行きましょう。お店では補聴器の汚れや水分をふき取り、乾燥させます。

販売店には必ず専用の真空乾燥機があります。ほとんどの場合は補聴器を乾燥とクリーニングすると再び音が出るようになります。

補聴器は日ごろのお手入れが大切です。正しい方法で補聴器を取り扱わないと故障することが多くなります。

簡単に直せるときもあるので、音が出ていないと感じたらすぐに販売店へ行きましょう。

補聴器は湿気に弱い

燕市に去年引っ越してきた佳代子さん(仮名)が補聴器から音が出なくなったと来店されました。

うまれつき耳が聞こえにくい佳代子さん。子供のころから補聴器を使っています。今は介護の仕事についており、色んな場面で人の声を聞く必要があります。

佳代子さんは来店と同時にこう言いました。「補聴器から音がでない。こんなことは初めてよ!」

さっそく補聴器を調べてみると、音の出口に何かつまっています。ホコリか耳垢だと思いますが、原因が分かったのですぐにメンテナンス。5分ほどで元通り音が出るようになりました。

補聴器から音が出ない原因は分かったのですが、割とよくある故障です。30年近く補聴器を使ってきた佳代子さんがなぜ血相を変えて来店したのかよく分かりません。

よくよく話を聞いてみると、意外なところに理由がありました。

佳代子さんは結婚するまで四国から出たことが無く、新潟県には去年引っ越してきたばかりです。アイアイメガネに来店したのも去年から。なんでもそれまでお世話になっていた四国の補聴器販売店がうちを紹介してくれたらしいです。

補聴器はメンテナンスが必須の品物です。四国の販売店は佳代子さんが嫁ぎ先の新潟で困らないようにしてくれたのでしょう。

佳代子さんの補聴器から音が出なくなった原因は音の出口が詰まってたことですが、そうなるにはひとつ条件があります。

それは湿気が多いことです。

故障の大半は湿気が原因

アイアイメガネに持ち込まれる補聴器故障の上位3つは

1位 湿気による断音や基盤の故障

2位 物理的な破損(落とした、踏みつぶした等)

3位 経年劣化による部品の破損

今の補聴器は防水・防塵性能が昔に比べて格段に良くなっています。

昔の補聴器は水につけたり、埃っぽい所で使用すると故障することが多かったのです。

スマホやデジカメなどで製品の防水防塵性能を表す基準のIP57。最近の補聴器のほとんどはIP57をクリアーしています。

防水性能: 水深1メートルで30分水没しても大丈夫

防塵性能:細かいホコリが機械の中に入る事を防止。万一、ホコリが入っても正常に動く

このような性能を持ってます。かなり強力な防水・防塵性能ですね。

では、なぜ汗が原因の故障が多いのでしょうか?

補聴器の防水性能はナノコーティングと呼ばれる表面処理によって行っています。

また、部品のつなぎ目を密封することによって、内部へのホコリや水分の侵入を防いでいます。

補聴器は体に密着させて使うものなので、どうしても汗と共に細かなホコリが付着してしまいます。汗や雨などの水分が付いたらすぐに補聴器をふくという人が多いのですが、表面をこすることによってナノコーティングが剥がれたり部品がずれたりします。

その結果として、内部への水分やホコリの侵入が生じたり部品のつなぎ目にサビができたりして防水・防塵性能低下を招きます。

だからといって補聴器をまったく拭かないというのは衛生的に良くないので、濡れたらすぐに拭きとってください。

冒頭の佳代子さんは乾燥していて雨もほとんど降らない瀬戸内海のそばに住んでいました。その時は補聴器の湿気を気にすることはありませんでした。

新潟に引っ越してきて雨や雪に遭遇することが多くなった佳代子さん。補聴器の音が出なくなったのは四国と新潟の気候の差に原因があったのです。

普段のお手入れ(ケア?)はどうすれば良い?

補聴器は一度故障すると、お金も日数もかかってしまいます。メーカーへ修理に出すと数万円かかることもあります。どうすれば故障を防ぐことができるのでしょうか?

・汗や雨に濡れたらすぐに拭く。

 高い防水機能を持つ補聴器ですが、あまり過信せずにしっかりと水分をふき取りましょう。

・お風呂やプール、海、温泉では使わない。

 お風呂でのシャワーで補聴器が破損したり、シャンプーや入浴剤で故障することがあります。

温泉もNGです。温泉に含まれる成分によっては補聴器のコーティングがダメになったり、金属部品がサビてしまうことがあります。

海では海水に含まれる塩分で腐食したり、波にさらわれる恐れもあるので補聴器の使用は控えましょう

なかには防水補聴器という水につけても大丈夫な製品もあります。

ただし、そういった補聴器でもシャワーを当ててはいけません。強い水流で防水機能が損なわれる可能性があります。

水がかかる場面では極力、補聴器は使わない方が長持ちします。

・乾燥ケースを活用する。

シリカゲルなどの乾燥剤と補聴器を一つの容器に入れて乾燥させる補聴器アクセサリーがあります。

販売店によっては補聴器販売時に一緒に付けてくれるところもあります。

就寝前に補聴器を乾燥ケースに入れると一晩で内部の水分を取り除くことができます。

このとき気を付けたいのは、補聴器の電池は乾燥させないことです。

補聴器用空気電池は乾燥させると内部の電解液が減少し、容量が少なくなります。

うっかり補聴器と一緒に電池を乾燥させてしまうと、いつもの半分の時間しか電池が持たなくなります。

ほとんどの乾燥ケースには電池を置くスペースがあるので必ず電池と補聴器本体を分けてから使用するようにしましょう。

・電動の乾燥ケースが便利

最近は電気で動く乾燥ケースも増えてきました。

こちらの商品は45分で電動の乾燥とUVライトでの除菌を行ってくれます。

電気式の乾燥なので電池をいれたまま使用することができます。とても便利ですね。

アイアイメガネでも電気式の乾燥ケースを使うようになってから修理の回数が激減したお客様がいます。

お仕事の都合上、どうしても汗をかく中で補聴器を使うため3か月に一回修理にだしていました。

保証期間中は無料修理が可能ですが、それ以降は数万円の修理費用がかかります。

こちらの電動乾燥ケースを使うようになってからは、年に一回点検に出すだけで音が途切れることはなくなりました。

電動乾燥ケースは1万円ほどですが、頻繁に修理に出したり買い替えることを考えればお手頃な商品だと思います。

補聴器は体に密着してつかうものなので、季節や天候によっては音が出ない症状が多発する恐れがあります。

補聴器のクリーニングと乾燥は、販売店にいけば無料で行ってくれます。

お仕事の都合で汗をかきながら補聴器を使う必要のある方。

湿気やホコリの多い中で働いている方。

誤って補聴器を水の中に落としてしまった方。

様々な理由で補聴器から音がでなくなったと来店されます。

その場ですぐに直せることも多いので、音が小さい、出ない。うっかり補聴器をつけたままお風呂に入ってしまったりしたら、すぐに販売店へ来てください。

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