- アイアイメガネ
補聴器を買うなら近所で
補聴器を買うなら近所で
補聴器は高額なものが多いので購入の際、いろいろと迷うと思います。
以前は専門店か眼鏡屋、電気屋でしか手に入らなかった補聴器ですが最近は様々な所から入手できるようになってきました。
補聴器を購入するときは、どんなことに気を付けてお店選びをすれば良いのでしょうか?
何よりも大切なポイントはお店が近い所にあることです。
補聴器は買った後、音の調整が必要になります。調整をすることで聞こえの改善をし生活の質の向上をめざします。
そのためには販売店に何回か通わなくてはなりません。病院で買った場合は指定された日時に行かないと、次回の調整は来月。なんてこともあります。
音の調整が終わった後もメンテナンスや電池の購入など、補聴器のお客様は月に何度もご来店される方が多いです。
補聴器選びの第一歩は近くて通いやすい距離のお店を見つけることになります。
仙台は遠かった
私が担当しているお客様の中には、遠い所で補聴器を買って大変苦労された方がいます。
Tさん(80代の男性)は仙台の有名な耳鼻科に通って補聴器を借りていたところ東日本大震災が起こり仙台へ行けなくなってしまいました。
借りていた補聴器は少々音が大きく、うるさかったのですが音の調整には行けません。
病院に連絡すると、近所にあるアイアイメガネを紹介されました。
お医者さんが調整中のものを勝手にいじるわけにも行かないので、ひとまず音を小さくして、お医者さんあてに調整の記録を書いてTさんに渡しました。
その後数年間、Tさんは仙台で購入した補聴器を使っていましたが90歳になった年にアイアイメガネで補聴器を作って頂きました。理由は「仙台は遠い、調整や修理に通うのが大変」
医療機関で検査や診断を受けるのは大切なことです。ただ、補聴器に関しては先生と連携を取れる身近な店舗で買った方が良いと思います。
中国の宇(ウー)さん
今まで私が担当させていただいたお客様の中で、一番遠い所にお住まいの方は中国の黒竜江省でした。
娘さんが日本で家庭をもっており、中国の父に補聴器をプレゼントしたかったのです。私も言葉が通じないながらも一生懸命、補聴器の調整をしました。
観光もかねて来日したお父さんに出来るだけの調整と使用方法を説明しましたが、万全とは言えませんでした。
あとは中国へ戻ってからの対応ですが、運よくメーカーの正規代理店が黒竜江省にあったので娘さんに伝えましたが怪訝な顔をされてしまいました。
どうやら実家からメーカー代理店まで車で3日!かかるらしいのです。
中国は広い……、と思いましたが遠くても正規代理店が安心なので住所を渡しておきました。
あれから数年経っていますが、たまに来店する娘さんに聞くと補聴器の具合は良いらしいです。
通信販売
新聞の広告やインターネット通販でも補聴器を扱っています。
「補聴器」と「集音機」に分かれていますが、通販サイトによっては明確に分けていないところもあります。
簡単に分類すれば、補聴器は国から認証を受けたもの、それ以外が集音機になります。
集音機は外見が補聴器によく似ており、価格は数千円~2万円位です。
集音機のできることは「ボリュームアップ」がほとんどです。
テレビやオーディオのボリュームを上げると音が大きくなり良く聞こえるようになります。
これと同じ原理で集音機は周囲の音を一斉に大きくします。
しかし人間の言葉といっしょに周囲の音も増幅してしまうため雑音も大きく聞こえるようになります。
結果、音がうるさい。言葉が聞き取れない。ひびく。といった状態になるため音量を十分に上げられなかったり途中で着けるのをあきらめてしまう人も多くなります。
これでは聞こえの改善はできません。
今のところ集音機での聞こえの改善はとても難しく、運よく集音機の出す音が自分の難聴と合っていた場合に聞こえの改善がある。という状態です。
よく新聞広告に聞こえが良くなるという商品を見かけますが、ほとんどは集音機のことを言っています。確かにある一定の人は聞こえが改善するかもしれません。集音機が偶然、難聴に適した音を出すからです。ただ残りの大多数の人はうるさくて使い物にならないか、逆に音量不足で物足りなく思うようになります。
偶然に合っていた人も数年後も使えるかというと、難しいと思います。
耳の聞こえは年齢とともに低下します。偶然聞こえた集音機は、ある日気が付くと耳に合わないものになっていることがあります。
それでも無理をして使っていると、言葉の理解力の低下や発声の変化など様々な身体症状を引き起こす恐れがあります。
お求めやすい集音機を使ってみるのは良いと思いますが、自分に合わないと感じた専門家に相談しましょう。
アマゾンや楽天、メルカリでは補聴器も販売されています。
ネット通販での補聴器は、しっかりと調整すれば聞こえが改善します。
ただ通販での販売、購入なので買った後の調整は大変難しいことになると思います。
補聴器は本体だけあっても不十分です。適切な調整をしなければ聞こえの改善はできません。
ではなぜそんな状態でインターネット通販に出品されているかというと
① 調整は他の店舗でおこなう。
むかしメガネの通販で問題になったことがありますが、ネットで購入後、顔に合わないという事例がたくさんありました。その時の販売者の対応は「近くのメガネ屋で直してもらってください」という非常識な内容でした。
補聴器の通信販売も同じことを言ってくる業者が多いです。調整は購入者が自宅近くの補聴器屋をさがしてやってもらうというパターンです。
今年の10月にインターネット通販でメーカー希望小売価格100万円の補聴器を買ったNさん。買ったあとに自分では調整できないことに気が付いて来店されました。
ふだんあまり扱わないメーカーのものでしたが、私の方で数時間かけて調整し普通に使えるようになりました。
アイアイメガネでは、基本的にどこのメーカーでも調整はできます。補聴器の調整用ソフトを外部に販売しないメーカーもあるので、その場合はお断りをしています。
② 購入者が自分で調整する
一部の補聴器にはトリマーというネジがついています。これをマイナスドライバーで回すことで音の調整ができる構造になっています。
ただこれも、補聴器の専門知識と自分の聴力が分からないと聞こえの改善はできません。
このようにネット通販で補聴器を購入するのはリスクの高い行為なので、あまりお勧めはできません。
遠方の医療機関や通販販売で補聴器を買うと、後から苦労することがあります。
近ければどこでも良いわけではありませんが、通える範囲で信頼できるお店を選ぶことが大切です。私たちアイアイメガネもお客様から選んで頂けるよう日々努力をしております。